2018年8月15日
昨年の5月、冨士エコツアー・サービスさんの
「青木ケ原樹海・洞窟探検ミステリーAコース」に参加し、富士風穴と樹海、そして大室山の「ブナ広場」を歩きました。
その時、印象に残ったのが針葉樹の樹海と広葉樹のブナ林の境目をくっきりと作るきっかけとなった大室山(おおむろやま)。
その大室山に是非とも登ってみたいなぁ~ と思っていました。
大室山は富士山の側火山のひとつで、北西麓にある標高1,468mの山。
どこにあるかというと・・
昨年5月に行った河口湖の北側に位置する破風山付近からの富士山です。
このきれいな円錐形の富士山の形になったのは3回の大きな噴火(4回との報告もあるとのこと)と山体崩壊を重ね、一万年ほど前にできたとのこと。
そして3000年前に噴火してできたのが大室山。
その後、長い年月をかけてブナやミズナラなどの広葉樹林帯となったが、約1150年前に貞観の大噴火(864年)によってできた長尾山から流れ出た溶岩が大室山の麓を埋め尽くし精進湖まで達しました。
その溶岩台地が後に針葉樹林の青木ヶ原の樹海を作りましたが、溶岩の流れよりも高い位置にあった大室山の広葉樹は溶岩の影響をあまり受けずに済み、ブナ林が残されたかたちになりました。
まさに、針葉樹林の海にポツンと浮かぶブナ林の島って感じかですね~
いやぁ~ 自然の生い立ちを知ると何ともおもしろいですよね~
さぁ、前置き長くなりましたが、「ブナの島」目指して出発です。
今回、宿泊した精進湖民宿村にある「岳心荘」さん。
料理もボリューム満点で美味しく、しかもお盆の連休だというのに1泊2食で6500円。
安くて静かでとても良い民宿です。
連泊させて頂いてるのでここからスタートです。
民宿から5分ほどで精進口登山道の入り口です。
早速ここから樹海。
樹海独特の雰囲気ですなぁ~
硬い溶岩台地で育つツガやヒノキなどの針葉樹。
根は地中深く入り込めないので、溶岩を這うように横に伸びています。
大きな岩を包み込むように根を張ります。
木の生命力はスゴイ。
ん~ なんとも言えん雰囲気・・
暗くなってから一人で入るのは無理っぽいな・・
樹海の中は同じような景色がずっと続きます。
迷って出て来れなくなるのも分かりますよ・・
苔マニアにはたまらんやろなぁ~
陽が当たらず湿度が高い。
キノコもたくさん・・
苔やキノコにとっては良い環境なんでしょうね~
樹海を貫く登山道・・
と言っても、しっかり整備されているので歩きやすいです。
「アリジゴクがいっぱいあるで~」と、yuu 。
主を探してみます。
おった。(画面中央)
これでーす。
のんびりと樹海を満喫です。
そんなこんなで樹海を2時間弱歩き、県道71号(富士宮鳴沢線)に出ました。
富士山ナンバーの車・・
「3776」をよく見かけます。
県道を渡って再び樹海へ。
林道のゲートを越えてしばらくすると・・
富士風穴があります。
溶岩がドロドロと流れた跡がはっきりと。
さぁ、富士風穴です。
写真では分かりにくいですが、とても大きく深い窪みです。
風穴の入り口に下りたかったのですが、ケービングツアー中だったので監視の方にとめられました。
上からの撮影で我慢・・
富士風穴から樹海を更に奥へ・・
ほどなくすると、植生が突然変わります。
大室山の麓、「ブナ広場」です。
貞観の大噴火(864年)で大量流出した溶岩に呑まれず残った境目です。
ブナやミズナラの巨木が美しいです。
さぁ、ここから大室山山頂へ直登しても良いのですが、大室山周辺には天然記念物の風穴が点在してるのでそれらを見物してから登ります。
大室山の縁を歩きます。
そうそう、大室山山頂へは登山ルートは整備されておらず、バリエーションルートとなります。
さっそく風穴が出てきました。
「背負子風穴第1」と書かれたプレートがありました。
yuu が風穴の中を照らしますがまったく見えず。
少しだけ下りてみます。
んー、なんか怖い。
続いて「大室洞穴」の案内板。
これがどこにあるのか分からなかった・・
GPSの地形図を見てを樹海の中をウロウロ探しますが見つからない。
おそらくこの辺りのどこかに穴があるのでしょうが、薄気味悪くて近付けないんですよ・・
あきらめて先を急ぎます。
凄まじい火山活動の痕跡があちこちに。
あと、よく見かけたのが倒木。
といっても根っこから倒れてるのではなく、途中からバキッと。
おそらく落雷のあとでしょうね。
「神座風穴」です。
かなり大きな穴が開いてました。
もちろん危険なので下りることはできません。
さぁ、ここからいよいよ山頂へ向かいます。
もちろん登山道は無いのでGPSを頼りに比較的歩きやすいルートを見極めながら。
・・と、薄い踏み跡発見。
周りをよく見ると踏み跡に沿ってテープもところどころ見かけます。
ホッとしたような少しがっかりのような複雑な気分で踏み跡を辿ります。
「でっかいツボのキノコ!」と、yuu 。
おぉ~ なんとなく食べれそうなキノコやな。
おっ!ピンクのキノコ。
ドクベニタケかな?
「あそこにもっと赤いのんが生えてるで~」と、dai 。
おぉ~ ホンマや。
「あっ! タマゴタケやん!」と、yuu 。
ホンマや~ 幼菌から成菌までそろってるで~
これって美味しいやつやんなぁ~
食べてみたいけど、ここは鳥獣保護区・国立公園特別保護地域に指定されているため、昆虫や野草の採集などは禁止されております。
あー、残念!
さぁ、そして到着~
大室山山頂(1,468m)です!
360度樹林帯!
聞いてはいたけど、やはり山頂で展望が無ければ達成感も半減するなぁ~
しかーし、ここ最高点に三角点は無く、もうひとつのピークの1,447mに三角点があり、その辺りからは展望があるそうです。
しばらく尾根を進んで行くと樹林帯が途切れました。
さらにトゲトゲのいばら道を進むと・・
おぉ~ すげ~
一同感動!
というのもこの日、民宿をスタートしてからここまで一度も展望が無かったんですよね~
残念ながら富士山は雲の中でしたが、こんな感じでイメージしてます。
富士山(見えてないけど・・)から本栖湖までの大展望でした!
そうそう、景色に感動して三角点のことをすっかり忘れ、タッチできずでした・・
この日の天気は朝から曇り。
スタート地点の民宿からも本来は富士山が見えるのですが、まったくでした。
ホント今回はついてない・・
天気予報も曇り時々雨なのでね・・
ねばりましたが・・
これが限界でした~
またいつか晴れた日に!
さぁ、下山ですが、予定ではこのまま南側の斜面から大室山の火口を経由して本栖風穴へと思っていたのですが・・
頂上付近の南側はトゲトゲの藪が生い茂っていて、突っ込めば血だらけになりそうなので1,468mの山頂まで戻ります。
そして山頂から本栖風穴目指して道なき道を下山。
なかなかの斜面ですが、危険を感じるというほどでもありません。
そして広葉樹林から再び針葉樹林の樹海へ突入し、本栖風穴に到着。
大きな穴・・
近付いて見てみますが・・
あ~ やっぱり怖い・・
さぁ、県道へ戻ってきました。
ここから午前と同じ道を戻ります。
樹海に入ると雨が降ってきたようですが、木々に覆われていて濡れずにすみました。
さぁ、樹海の出口。
おぉ~ けっこう雨が降ってる~
民宿までの最後の直線がきつかった・・
いやぁ~ 今回、富士山をはっきりと見ることはできなかったけど、よくよく考えてみると富士山の一部に登ってたんですよね~
今までは富士山を目にしたときって、自然と意識は山頂の方にいってましたが、これからは裾野の方までしっかりと意識するんやろなぁ~
そうそう、千円札の裏側に本栖湖から見た富士山の絵柄が載っていますが、左下に大室山もしっかりと、しかもかなりの存在感で描かれていますよ!
針葉樹林の樹海に浮かぶ広葉樹林の孤島、大室山。
機会があればまた登ってみたい山になりました!
≪コース&タイム≫(自然観察登山のためコースタイムは参考になりませんよ~)
民宿(8:30)⇒県道71号(10:20)⇒富士風穴(10:30)⇒大室洞穴(11:40)⇒神座風穴(12:30)⇒大室山(13:20)⇒(13:40)三角点(14:00)⇒本栖風穴(14:50)⇒県道71号(15:15)⇒(16:55)民宿
dai、yuu!おもろかったなー!また行こな